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1年中、香りに包まれる大地
シエナの大地はグルメを120%満足させます。日本でも知られるようになったプロシュート(豚もも肉の生ハム)ですが、トスカーナ風は塩やコショウを1年がかりで丹念に擦りこんだもの。その濃厚な味から、北部パルマ産と区別されています。"チンタ・セネーゼ"といわれるシエナ産の豚から作られるハイクォリティーなサラミ類もグルメご用達です。
街角を曲がって何とも芳しい香りに包まれたら、それは名産・ポルチーニ茸を炒める匂い。この地に伝わるパスタ"ピチ"とのコンビネーションは最高です。ちなみにピチは小麦粉と水だけで捏ねた素朴な太麺。シエナ県南部がそのルーツといわれています。
キノコではクレテ地方のトリュフも絶品です。セコンドピアット(第2の皿)には、すでに紹介したキアーナ牛のほか、ジビエ(野禽類)も、猪をはじめキジ、うさぎ、鳩、ホロホロ鳥、ガチョウと多彩です。特に猪のサラミは脂肪が少なく意外と美味。


ビンの向こうが見えないオリーブオイル
チーズは、羊の乳から作ったチーズ "ペコリーノ・トスカーノ"。
特に南部ピエンツァやクレテ地方産のものが有名です。もちろん好みによりますが、一般に牛乳のチーズよりクセがありません。ローマにも羊のチーズが見られますが、トスカーナ/シエナのものは、より塩分が少ないのが特色です。
春はそら豆とともに前菜として食べるのも乙なもの。できたてを食べるフレスコ(フレッシュ)、セミ・スタジョナート(半熟成)、スタジョナート(長期熟成)とあり、それぞれに良い風味があります。 
オリーブオイルにも注目。この地でバターは伝統的にあまりポピュラーではありません。そしてオーリオ(油)といったら当然エクストラヴァージン・オリーブオイルのこと。そのなかでもフィルターを通さない "ノン・フィルトラート" といわれるオリーブオイルの濃厚さ、味のまろやかさには、筆舌に尽くしがたいものがあります。ときにはあまりに濃すぎてビンの向こうがほとんど見えなかったりします。切ったパンに染みこませてオードブルにしたり、茹でた白いんげん豆にかけるだけでコントルノ(付け合わせ)になったり、その味はシンプルなほど引き立つのです。

イタリア屈指のワインの宝庫
よくイタリアンワインのラベルに書いている "DOCG" とは Denominazione di Origine Controllata e Garantita、保証付き統制原産地呼称のこと。星の数ほどあるイタリア製ワインの中できわめてクォリティー・コントロールの行き届いたものの証明です。シエナには、この DOCG 適合ワインが数多くあります。キャンティ・クラッシコ、キャンティ、キャンティ・コッリ・セネージ、ヴェルナッチャ・ディ・サン・ジミニャーノ、ブルネッロ・ディ・モンタルチーノ、ヴィーノ・ノーヴィレ・ディ・モンテプルチャーノといった DOCG ワインは、いずれも世界のワイン・ファンを唸らせるもの。それらはすべてシエナ県で作られているのです。 長期熟成(リゼルヴァ)ワインと、これまた長期熟成のペコリーノ・チーズ。口の中に広がるそれは珠玉のハーモニーです。


中世の味を今に−−ドルチェ
シエナのテーブルはそれだけで終わりません。コースをしめくくるドルチェも楽しみです。いずれもそのルーツを何世紀も前に遡るロマン溢れるお菓子たちです。まずリッチャレッリ。アーモンドパウダー、小麦粉、卵白、オレンジの砂糖漬けなどを練って固め、オーブンで焼いてから粉砂糖のヴェールでくるんだもの。上品なドルチェですが、もともとは十字軍がオリエントから持ちかえったものといわれています。 いっぽうパンフォルテは、11〜13世紀に修道院で食されていたという円板型ドルチェ。香辛料の香りに中世のイメージがふくらみます。そしてトスカーナといえば、固焼きビスケット"カントゥッチ"もお忘れなく。食後酒ヴィンサントに浸けて食べるそれは、"酔っ払いドルチェ"の異名があります。

地中海式食生活が今日に残るシエナ。まさに現代における食のサンクチュアリです。


ミニ知識 - キャンティってブランドの名前?
キャンティとは、一製造業者の名前と勘違いしている方が多いのも事実です。実際はシエナ県北にある地方の名前。この地でぶどうの配合率をはじめ一定の基準にしたがって作られたものをキャンティ・ワインといいます。 また、ブルネッロはモンタルチーノで、ヴィーノ・ノーヴィレはモンテプルチャーノで一定の基準にしたがって作られたワインの総称です。 したがってこちらも様々なワイナリーが手がけています。

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